Works
施工実績
御宿 富久千代
- 竣工
- 2021年3月
- 所在地
- 佐賀県鹿島市
- 床暖房敷設面積
- 30.88㎡
- 建物種別
- 宿泊施設
- 床暖房種別
- 電気式パネルヒーター
唯一無二の酒蔵オーベルジュ。
高級宿の快適性を静かに守る。
美しい街の景観と文化を次代へ。
老舗酒蔵が築230年の旧商家を再生。
江戸から昭和にかけて酒や醤油などの醸造業で栄えた、佐賀県鹿島市浜町。古い建物や茅葺の民家が数多く残るこの地域では、現在も歴史ある3つの酒蔵が今も現役で稼働しています。白壁の建物が並ぶ通称「酒蔵通り」は、文化庁の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されており、国内外から多くの観光客が訪れる名所です。
情緒豊かな「酒蔵通り」の通りの一角に佇む酒蔵のひとつが、銘酒・鍋島を手掛ける「富久 千代酒造」です。同酒造は地域の美しい景観と文化を次代へ受け継ぐことを目的に、築約230年の旧商家を修復・改築して宿泊もできるレストラン『御宿 富久千代』として再生させる計画をスタート。サンウエルスは床暖房の敷設工事を担当しました。
歴史ある貴重な建造物の修復と増築。
床暖房工事も寸法を確認しつつ慎重に遂行。
『御宿 富久千代』の母体である旧商家は、この地域で最大級の歴史ある建造物です。立派な茅葺き屋根は専門職人の手によって当時の姿が再現され、醤油や味噌を製造していた頃の名残である煉瓦造りの煙突も当時のまま保存されています。
歴史的に貴重な建物を修復した後に増築工事に着手するため、床暖房の敷設にも慎重さが求められました。1期目はライブラリーやラウンジと縁側、2期目は増築された客室や廊下、お風呂などという具合に工事期間を分け、現地で寸法を測りながら用心深く計画を遂行。また、地域の美観を守るため建築上の取り決めも多く、室外機等の設置場所も検討を重ねた上で決定しました。
耳障りな音がしないという贅沢を叶えて、
空間の付加価値を高める床暖房。
こうして2021年、1日1組限定の酒蔵オーベルジュ『御宿 富久千代』が開業しました。日本の伝統技術が息づく建物は、門構えから物静かで郷愁をそそられる表情。そして一歩中へ入ると、凛とした空間の設えや洗練されたおもてなしに心を奪われます。訪れたゲストがリラックスして会話を楽しめるよう、耳に届く音もじつに穏やか。日常の喧騒を忘れられる贅沢な時が流れています。
このような非日常空間において、熱源の機械や音が気にならない床暖房はとても重宝されます。特に海外のお客様の中には日本の“静”の文化に関心をお持ちの方も多く、静かに館内の快適性を保つことのできる床暖房は建物の付加価値を高める選択肢と言えます。古民家の再生をお考えの方もぜひご相談ください。